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カルチャースポット 文化歴史

平安時代の陰陽師・安倍晴明の聖地で伝説を紐解く

平安時代の陰陽師・安倍晴明を祭神とする安倍晴明神社は、50メートルほど南にある阿倍王子神社の境外社(末社)。“王子”神社は熊野三山に到るまでの途中に休憩と遥拝のために設けられたお宮で、この2社も旧熊野街道沿いにあります。
晴明は、阿倍野の豪族だった安倍保名(あべのやすな)の子として生まれたといわれ、 神社の境内には生誕を伝える碑などがあります。
後に陰陽師として知られる、その類まれな霊力は、白狐だと伝わる母親・葛乃葉(くずのは)から受け継いだとのことですが、「恋しくば尋ねきてみよ和泉なる信田の森のうらみ葛の葉」という別れの歌を残し去らなければならなかった、妻として母親としての深い愛に思いをめぐらしながら、参ってみるのも良いのではないでしょうか。
安倍晴明神社鳥居 約180坪ほどの小さな境内ですが、大阪市の保存樹林である大きな楠木を始め、銀杏などの木々が生い茂っています。

境内を入るとすぐ右手に、晴明生誕の碑と、産湯を使ったとされる井戸があります。
ここには安産の祈願に来られる方も多いとのこと。

手水舎の水は、産湯井と同じ地下水から沸いており「晴明水」と呼ばれます。飲用としてもOKですので、ぜひここで手と口をすすいでから本殿に参拝しましょう。

産湯の井戸のすぐそばには、高さ3メートルほどの狐のモニュメントが。
俗に白狐だと伝わる葛乃葉が飛来する姿を表しています。
産湯井の跡/安倍晴明生誕地の碑 手水舎(晴明水)
孕み石 葛乃葉・白狐の碑 安倍晴明神社本殿
あるとき安部保名は、信太の森で狩に追われていた白狐を助けましたが、その折に負った傷が元で病に臥しました。
白狐は恩返しの為に、葛の葉と名乗る女性に姿を変え看病に訪れ、その後保名と愛情を通わせ、晴明を産みました。
しかし、幸せな月日が流れていたある日、狐の姿を幼い晴明に見られてしまいます。
自分の姿を見て怯えて泣く子供を見た葛の葉は、子別れの歌を残し、泣く泣く身を隠しました。
晴明の霊力には、保名とともに母を探し求めて信太の森をさまよううちに、母狐が現れて授けたというお話もあります。
阿倍野筋にある道標 安倍晴明公像 2005年には晴明の死後一千年期を迎え、晴明の等身大銅像が作られました。
こちらは晩年のお姿とのこと。

社殿には安倍晴明公顕彰会による占いコーナーが。若い女性の恋愛相談も多いそう。

大社である阿倍王子神社は、安倍晴明神社の少し南にあります。

4つの神木(大阪市指定の保存樹・くすのき)を始め、大きな木々と立派な社が、凛とした空気を作り出しています。

葛乃葉稲荷神社 阿倍王子神社の奥には、晴明の母・葛乃葉(葛之葉稲荷大神)を祭った、葛乃葉稲荷神社も。

晴明の父・保名を祭る、泰名稲荷神社は、先の安倍晴明神社の境内にあります。深い愛で結ばれた家族の2つの聖地を、ぜひ一緒に訪れてください。
阿倍王子神社本殿 阿倍王子神社参道(旧熊野街道側)の大楠
天王寺蕪の碑 ご覧いただきたいものがもうひとつ。
阿倍王子神社の境内には、天王寺蕪の顕彰碑があります。
碑には、江戸時代初期から明治末期まで約300年、天王寺・阿倍野一帯で広く栽培された、なにわの名物・天王寺蕪の歴史などが紹介されています。
その味の良さは全国にも知れ渡り、与謝野蕪村や正岡子規、魯山人などの文人や俳人にも愛でられ、作品が残ります。

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