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天王寺で歴史登山を。

天王寺で歴史登山をしましょうか。
天王寺公園内にある茶臼山は、ほんの標高26mの山ですが、そこに伝わる歴史はとても大きいのです。
これまで5世紀ごろの全長200m近い前方後円形古墳とされる説と、自然陵とする説ともに、今だ謎の残る山です。
河底地をはさんで見る茶臼山 茶臼山は、江戸幕府が豊臣方を滅ぼした大坂の役(大坂の陣)の重要な舞台です。
1614年(慶長19年)11月 ・大坂冬の陣では、徳川家康の本陣となり、翌1615年(慶長20年)5月には、真田幸村(本名は信繁)勢の本陣として、茶臼山の戦い(天王寺口の戦い)が繰り広げられました。

真田幸村は江戸の人々からも愛された戦国武将と言われます。
大坂夏の陣で、徳川軍に深く攻め込み、その獅子奮迅な騎馬突撃や鉄砲隊を使った智将ぶりでは、敵将たちに賞賛をあびるほど。

そんな幸村は、徳川軍へ寝返るよう再三誘われたものの“義”を貫き、強大な家康を窮地に陥れながらもついに戦場で命を落とします。
その後江戸では『主君に最期まで忠義をつくし、“義”を もって 武士の本懐を遂げた武将』 『家康が恐れた、戦国ただ一人の武将』として、講談となって、戦国の英雄・真田幸村の話が知れ渡ったといいます。
この戦いを思い描きながら、茶臼山を登ってみましょう。
和気橋 大阪市立美術館の北奥に大きな池が広がります。この池は「河底池(愛称ちゃぶいけ)」といいます。そして茶臼山へと架かる橋は、「和気橋(わけばし)」。
788年(延暦7年)和気清麻呂が旧大和川の流れを変えるために上町台地を開削した際、古墳の濠を利用した名残が河底池だと伝わります。
茶臼山へは、池の左側と右側を回っていく道もありますが、まず最初は、真ん中の大きな橋を渡って行くのがお勧め。

橋を渡り終わると、少し急な石段になっていますが、すぐに平坦な広場に出ます。

「大坂夏の陣」の看板 目の前には、「大坂夏の陣」を紹介する大きな看板。「茶臼山」に布陣する豊臣方・真田幸村軍と、それに対峙する総兵力3倍ほどの徳川方の布陣の様子が描かれています。 その横に、「茶臼山古戦場後」との看板も。
「茶臼山古戦場後」の看板 慶長二十年五月七日(1615年5月7日)、紅の旗・吹貫であたかもつつじの花盛りのように群れなびかせた真田の赤揃が陣を構える茶臼山の真田幸村隊三千五百は、この日の正午過ぎ、徳川方最強の松平忠直率いる越前勢一万五千と激突し、真田の赤揃えと松平家の家紋のツマ黒が交互に入り乱れる大坂夏の陣最大の激戦が茶臼山周辺で繰り広げられた。(大坂夏の陣 天王寺口の戦い)
数では劣る真田隊であったが、高い戦意と捨身の攻撃で越前勢を突き破り、徳川家康の本陣目掛けて一文字に三度の攻撃を仕掛け、あとわずかで家康の首に手が届くところまで攻めるも、数に優る越前勢が混乱から立ち直り反撃を開始、しばらく茶臼山に拠って抵抗を続けた真田隊も越前勢の猛攻によって奮戦むなしく壊滅し、真田幸村も激戦を戦い抜いて疲弊し茶臼山の北にある安居天神で休息しているところを越前兵により討ち取られる。 ―真田日本一の兵、古よりの物語にもこれなき由―「薩摩旧記」

もう1つ目を惹くのが、真紅に、6つの黄色銭が描かれた“真田”の「六連銭(六文銭)」の旗印。

この六連銭は、幸村の祖父・幸隆から続く旗印で、亡くなった人の棺に三途の川の渡し賃として入れる六文銭を意味します。この旗印を掲げることで、戦場では覚悟をもって「身命を堵して」挑むという真田家の心構えが伝わるものです。

史跡 茶臼山 及 河底池 「六連銭(六文銭)」の旗 河底池を挟んで見る茶臼山は、豊かな木々にデコレートされ、こんもり 大きな山に見えていますが、実際は本当に小さな山。実は、既にここが 茶臼山の中腹です。
山頂に向けて、もう1つ石段を上がりましょう。
石段の手前には『史跡 茶臼山 及 河底池』を示す石柱を見があります。

すぐに上り終える山頂は、平らな小さな広場のような場所。ここで、小休止。
木々の間から、ぐるっと大阪を見渡し、当時の武将たちの息吹に想いを馳せてみましょうか…。

戦国時代、ここには大塚城(茶臼山砦や茶臼山陣城)がありました。
1546年(天文15年)細川晴元の家臣・山中又三郎を城主に築城以来、1615年の大坂夏の陣、真田信繁の陣城として使用されたのを最後に廃城。その激戦ぶりが伺われ、感慨深いものがあります。

山頂から、山を観察すると、何方向かへの道があるのが分かります。 お好きな道を中腹まで降りて、グルリ一周してみましょう。木々に囲まれ、あまり展望は良くありませんが、小さいながらも複雑で面白い山道に出会えることでしょう。

対峙する2つの将軍が陣を構えた茶臼山。ここが、大坂城にとっても非常に大切な要所だったことが分かります。

しかし今は、静かで趣きある景観に、心が静まるのを覚える場所です。
戦では物凄い剛勇を見せた真田幸村が、実は温厚で誠実な人柄であったと伝わる話と少し似ていますね。

 

●茶臼山古墳 (大阪市天王寺公園内)=公園入園料/150円(中学生以下、市内在住の65歳以上の方、身体障害者手帳等をお持ちの方は無料)開園時間/9:30~17:30(入園は16:30まで) 休園日/月曜日(祝日にあたる場合は翌日)・12/29~1/1 TEL/06-6771-8401

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